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大リーガー松井選手の引退

「苦しみや辛さこそが、生きている証ではないでしょうか。僕は、生きる力とは、成功を続ける力ではなく、失敗や困難を乗り越える力だと考えます。」

 これは松井選手が自身の著書「不動心」の中で説いている言葉です。

 大リーガー松井選手が引退を表明しました。ヤンキース時代の彼の姿にワクワクし、夜中に大リーグの試合を見るようになりました。

 ワールドシリーズで大活躍してMVPに輝いた彼に感動し、松井は大リーグでもチャンスに強いパワーヒッターとして活躍し続けるだろうと信じていました。気取らず、驕らず、謙虚に直向きな努力を怠らない。そして常に誠実にチームに貢献してきた松井選手は、アメリカ国民にも大リーグのメジャー選手たちにも愛され、そして尊敬されていました。大リーグで「マツイ」「ゴジラ」と尊敬された彼を、私は同じ日本人として誇りにさえ思い、密かに憧れていました(松井選手の方が年下ですが)。

 あの痛々しい手首の骨折、また度重なる両ひざの手術など常に怪我を抱え、ここ数年は思うような活躍ができず、しかし、最後のレイズでメジャー昇格してすぐにホームランを放つなど、その輝きは失われていないようにも思いました。

 今年、所属球団が決まらず、日本球界復帰も熱望されていた彼が、引退を決意したという一報には本当に驚きました。

 日本でならまだやれるのでは?DH制のパ・リーグなら・・・いろいろな憶測が飛び交いましたが、彼の最後の決断は「10年前に戻れるとは思わない」という、巨人で4番を務めた「松井」を期待されても、期待に応えられない自分を受入た「誠実なプライド」のように思います。引退会見で、彼が唯一目を潤ませたのは、恩師たる長嶋監督への思いを語った時でしたね。

 松井選手が、国や文化の違いを超えてたくさんの人々から尊敬され、愛されたその生き様に、世界に通用する日本人としてのモデルや可能性を感じました。

 「生きる力とは、成功を続ける力ではなく、失敗や困難を乗り越える力」

 まさに、子どもたちが日常生活の中で体験をとおして身につけていく力です。このような力が土台になってこそ、強くたくましく生きていけるのだと思います。