おおたみんなの家

おおたみんなの家の園長ブログ

「待機児童解消加速化プラン」発表、「成長戦略」の一環として

19日、安倍晋三首相は会見で6月にまとめる成長戦略の第1弾を発表し、この中で女性の活躍を戦略の中核と位置づけ、待機児童解消について25・26年度に20万人分、29年度までの5年間で計40万人分の保育提供を確保するための保育所整備や保育士確保、認可外施設への支援などを掲げる「待機児童解消加速化プラン」を発表しました。

意欲のある自治体を支援する「手上げ方式」とし、支援のあり方には「横浜方式」の全国展開を謳っています。

具体的には、保育所整備では施設整備費の積み増しのほか、賃貸や国有地利用も活用して都市部の需要に対応するとともに、地主と整備事業者のマッチングによる民有地の活用促進を図ることとし、小規模保育への運営費・改修費・賃借料等の支援、幼稚園での長時間預かり保育など新制度の先取り実施も掲げています。さらに横浜市の「保育コンシェルジュ」を想定していると思われる「保護者と適切な施設・事業の結び付け」、認可外保育施設への改修費・賃借料・移転費・運営費等の支援による5年間での認可保育所への計画的移行や保育士の処遇改善や潜在保育士の復帰促進、認可外保育施設で働く無資格者の保育士資格取得支援などが挙げられ、これらを活用する参加市町村には目標値の設定を課し、今後2年間で最大限の保育提供量拡大と待機児解消を図ることとしています。

同プランは23日の産業競争力会議(首相官邸)の中でも、労働政策や女性のさらなる活躍促進に向けた戦略構想の一環として織り込まれて示されており、今後、さらに具体的な施策が矢継ぎ早に発表されると思われます。

・首相官邸ホームページ 第7回産業競争力会議 配布資料

 http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/skkkaigi/dai7/siryou.html

 (資料8及び12に「待機児童解消加速化プラン」掲載)

 

「子ども・子育て会議」第1回会合開かれる

26日、政府の「子ども・子育て会議」の初会合が開かれ、「子ども・子育て支援法」第60条で内閣総理大臣が定めることとされる、国による子ども・子育て支援施策の総合的な推進のための基本指針について、その概要案などが示されました。

これに対し、出席者からは潜在的な保育ニーズの把握や、保育の質・量の確保に向けた保育士の処遇改善の必要性などについて意見が上がったとのことです。

27年4月の制度施行とそのための各自治体の準備を視野に、同会議及び各部会において、基本指針や保育の必要性の認定基準、認可基準(幼保連携型及び地域型)や公定価格・利用者負担などを検討し、基本指針や基準等については25年度末までに検討を終え、政省令等の公布を行うこととしています。

内閣府の少子化対策ホームページには配付資料が掲載されており、基本指針の概要案のほか、市町村が利用希望の把握のために子育て世帯に対して行うアンケート調査の調査票案などが掲載されています。

また基本指針については、盛り込むべき主な内容として「子ども・子育て支援の意義」「地方自治体の事業計画の作成指針」「制度に関する基本的事項の提示」「関連施策との連携」の4点を挙げるとともに、「子ども・子育て支援の意義」に関するイメージや、待機児の多い0~2歳の保育利用率について国が一律の数値目標を定めるべきか、利用希望の把握方法をどうするか、保育士等の具体的な必要見込み数を記載すべきか、など、指針策定にあたっての検討事項・論点も別途資料として示されています。

 

(参考)内閣府少子化対策ホームページ、NHKニュースウェブ

内閣府少子化対策ホームページ 「子ども・子育て会議」第1回議事次第

http://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/kodomo_kosodate/k_1/index.html

子どもの学びを支える家庭と保育園~園だより抜粋~

 子どもたちは保育園で1日の約30%から50%の時間を過ごし、学校では20%~30%を過ごします。その時間の中で養護や教育を受けるのですから、時間的ボリュームで見ればかなり大きな影響がありますね。ただ、子どもがこのような教育を受けるためには、家庭での基礎的な教育が必要です。

 はじめに教育という言葉の定義ですが、要約すると法律等でいう教育には「生活教育」と「学校教育」の2つの定義があり、3歳未満は生活的教育、3歳以上は学校教育と区分がされています。しかし実際にはそんな区分はできませんし、この法的定義づけは、補助金など公金を支出する上での制度区分のためだそうで、実質的な教育内容や効果、方法等まで拘束するものではないようです。人の育ち(発達や成長)の連続性という生理的事実に照らして、それを法律で3歳未満と以上に意味づけを区分するのは無理がありますね。

 幼児教育においては、外界への働きかけや感受性、表現力や身体性、想像力や創造性、判断力や決断力、調整力や協調性などを、協同的に生活し遊ぶ中で体験的に学び、一人ひとり異なる自分自身の個性を子ども自らが育くみ、仲間とともに磨き合うことが大切だと思います。

家庭においても同じように、遊びや生活の中で子どもが興味や意欲をもち、体験的に学ぶことができます。

例えば、水遊びで容器に水を注ぎながら、多いや少ない、どのくらい、などの感覚をつかみ、これを生活の中の分けたり加えたり、数えたりする体験などで数や量の原理を学びます。また、絵本の読み聴きで言葉や文章、文字や言葉の意味、発音や抑揚などを知り、家族や友だちと対話を重ねることで、体験的に言葉の持つ意味や効果などを学びます。大人が見たら遊びに見える行為や、生活における手伝いなども、実は子どもの学びの基礎なのです。

もちろん、このような学びは子どもの発達や身体成長を伴うことが前提になりますから、まだ身体成長が伴わないのに無理をさせ、興味や意欲が湧いてないのに物や機会を与えて「やらせる」のは逆効果です。

園では子どもの遊びや行為を「何がしたいのかな」「何を感じているかな」とじっくり観察して受容し、子どもが自己の興味や意欲を自身の力で満たせるよう支援します。このような客観的な見方や関わり方ができると、子どもの興味や意欲、感情や動機、発達や成長が分かり、一般的に大人が困る行為でも、子どもが得る気づきや成長等に期待する姿勢で対話をしていきます。

家庭での基礎的な教育とは、子どもが興味や意欲を発揮(表現)する力の育成といえるでしょう。規律的で健全な家庭生活や健康、子どもの発達や成長に応じた人やものとの関係と環境、親から受容される自己尊重など生活そのものが、子どもが興味と意欲を発揮できる基盤になるでしょう。

 子どもにとっては園も家庭も学びの場です。私たち保育園は家庭の子育てや教育のパートナーであり、私たちと家庭が連携して、ともに子どもの育ちや教育を考えて工夫し、対話することで、子どもたちの健やかな成長や発達が保障されるのです。

年度の変わり目

 いよいよ3月末になり、新しい年度が始まりますね。今年は3月31日が日曜日で、ある意味で年度の区切りを感じやすいかもしれません。

 それぞれのクラスの子どもたちが、「お兄ちゃん(お姉ちゃん)になるんだよ」などと進級する喜びを口にしています。小さな1歳児のクラスでも、「〇〇はお姉たんなのよ」と可愛らしい自己主張を見せてくれます。

 しかし一方で、そういった変化が気持ちの不安定さにつながる子どももいます。

 私たち親や大人は、励ましや促しのつもりで「お兄ちゃん(お姉ちゃん)になるんだから〇〇しなきゃね!」などの言葉をかけると、プレッシャーを感じて逆にできなくなったり、あまのじゃくになったりする子どももいるようです。弟妹が生まれたばかりの家庭で、子どもに「ぼく(わたし)だってパパやママに甘えたい」という思いが募っているところに「お兄ちゃん(お姉ちゃん)だから」と言うと、逆に赤ちゃん返りをすることがあります。

 また、当園では「にじ組(満3歳)」から3~5歳の異年齢混合で生活しますが、保育園できょうだいのように過ごしてきて、園の中で年長児を頼ったり甘えたりしながら生活してきた年中以下の子どもは、年長児が卒園して居なくなってしまうという変化が、寂しさや不安につながることもあるようです。

 こういった子どもの心理変化は、人間として当たり前の心理変化であり、子どもが状況や環境の変化を把握する能力や、感じて表現する能力が身についてきたという発達や成長の一面です。そして、このような心理を自分の力で何とか乗り越えたり、消化したりすることで精神的にたくましく育っていきます。

 このようなときに、大人が安易に不安要因を取り除いてあげたり、感情移入して親の心配を子どもに伝えたりすることは、ときに子どもの発達や成長を妨げてしまう場合があると心得ましょう。子どもの気持ちをしっかりじっくり聴いてあげたり、まだ言葉が未熟ならば、表情や行動から子どもの心理を把握して抱いてあげたりするなど、子ども自身が「大丈夫」と思い直し、自分で自身の気持ちを立て直していけるように、子どもの不安定な気持ちに親や大人が寄り添うことが大切でしょう。

 私たち大人も不安や寂しさを感じている時に、信頼できる人に自分の気持ちを優しく聴いてもらえると、気持ちが軽くなったり落ち着いたりできますよね。そういう私たち大人が持っている能力が、子どもにも身につき始めたところです。ここから長い時間(思春期以降)をかけて、自分で自分の気持ちや感情をコントロールできるようになっていきます。じっくりしっかり、子どもの声や表情に耳や目を向けながら、子ども自身の「気持ちを立て直すちから」を育てていきたいですね。

第1回卒園式

3月16日(土)は、おおたみんなの家が開園して初めての卒園式でした。

 卒園する11名のそらぐみの子どもたちは、緊張の面持ちでしたが、式が始まるとはつらつとした明るい表情で卒園式に臨みました。一人ひとり名前を呼ばれて、一礼しながら自席に入場したのですが、先に入場する友だちに気遣いをしたり、きびきびと歩いてきちんとお辞儀をしている姿に、とても素晴らしい成長が感じられました。

 当園では卒園証書は一人ひとりの文面が違います。すべての子ども一人ひとりの特徴や成長の姿を卒園証書に盛り込んで、職員が毛筆で手書きをしています。卒園証書をもらった子どもたちが、将来大人になった時に読み返し、自分のことをちゃんと見ていてくれた親以外の大人が居たことを実感してくれたら幸いです。

 証書を受け取った子どもは、一人ひとりが親に宛てた作文を読みます。どんなことを書きたいか、自分たちで決めた内容を自分の言葉で書いた作文です。感極まって泣き出してしまう子どもも居ましたが、卒園児同士が励まし合って涙を拭いて読み切る姿は、とても美しくたくましい姿です。

 その作文を子どもが読み終えると、保護者は子どもにメッセージを返します。もちろん、皆さん涙ながらのメッセージです。その保護者のメッセージを、にこやかな微笑みを浮かべてきちんと聞いている子どもの姿にも、胸を打たれました。

 また、初の卒園児を送り出すために、多くの職員たちが遅くまで夜なべをしながら、精一杯の気持ちを込めて卒園式をコーディネートしてくれました。そして、年中のうみぐみの子どもたち、年少のにじぐみの子どもたちも乱れることなく1時間半余りの卒園式に臨席してくれました。

 卒園児、保護者、職員、在園児、みんなの想いがひとつになって、とても温かい素晴しい卒園式がおこなえたことを心から喜びたいと思います。

 最後になりましたが、雨の日も風の日も、朝の忙しい中にも笑顔で子どもを保育園まで送り届け、子どもの健やかな成長のために、保育園の運営にいろいろとご理解、ご協力をいただいた保護者の皆様に、心から感謝を申し上げたいと思います。

震災から2年

 

3月11日です。東日本大震災から2年が経ちました。

あらためて、被災され命を落とされたすべての方に哀悼の祈りを捧げます。

また未だ避難生活を強いられている方々、放射能汚染に向き合って生活されている方々、そして被災地でも笑顔を絶やさず育っている子どもたちに、本当の春が一日も早く訪れるよう、被災地の方々の想いに耳を傾け、私にできること、私たちにできることを着実に行動していきたいと思います。

あの日の記憶はまだ今も、鮮明に映像として頭の中にあります。

ガタガタガタガタ、ガッシャン!ガッシャン!という音と共に、振幅の長い揺れがかなり続いたことを覚えています。その後すぐの大きな余震、約6時間かけて保育園に迎えに行った息子との再会、帰宅困難職員の搬送、ギューィギューィ!ギューィギューィ!と不意に携帯から鳴り響く地震警報・・・などなど、人生で初めて「どうしようもない」という不安に駆られた日でした。

そして、見たこともない津波や倒壊の惨状が映し出されるテレビ、情報が錯綜しながらも必死に冷静を呼びかけるラジオなどで、時間の経過と共に「想像を超える震災」がリアリティを増していく不安や恐怖、焦りのような感覚を、いまでもはっきり覚えています。

あれから2年。

被災地にも足を運びましたが、津波や原発事故による被災地域以外の都市部地域は、震災直後から見れば、平時の生活状況に戻りつつあるようです。しかし、やはり津波や原発事故による被災地域は、まだ瓦礫の撤去が終わって平地になったまま。高台移転はその面積拡充のための開発や道路等インフラ整備が進まなければ難しく、現状では面積も限られているようです。福島県内では、放射線量が高くて子どもが戸外で遊べる時間をまだ制限している地域もあります。

被災した方々や子どもたちのために、私たちにできることは何か、私個人にできることは何か・・・自問自答しながら、まずは子どもたちのためにできることを保育関係の仲間と共に取り組んでいます。よく「かわいそう」とか「痛みを分かち合いたい」とか主観的な同情を言う人がいますが、何より現地の方の思いや要望に耳を傾け、その充足のために行動し続けることが必要なのだろうと考えています。

被災地を忘れずに、具体的に行動や活動をして支援や応援し続けること。そして、もしかしたら私たちも被災する可能性があり、その備えをしっかりおこなっておくこと。そういう気持ちや行動を奮い立たせる3月11日にしたいと思います。

 

定期利用保育を始めます

 ★定期利用保育とは★

保護者の多様な就労形態、生活スタイルに対応した保育です。毎日の利用はもちろん“週に何回か”複数月の間、子どもを預けたい方がご利用になれます。保護者の勤務日数などに合わせた柔軟な保育サービスを提供し、『仕事と子育ての両立』を応援します。平成2541日からの事業開始になります。

・東京都「一時預かり事業・定期利用保育事業について」

http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kodomo/hoiku/ichijiazukari_teikiriyohoiku.html

・大田区「定期利用保育」

 http://www.city.ota.tokyo.jp/seikatsu/kodomo/shien/teikiriyouhoiku/index.html

 

①利用対象者

 1)4月2日以降の誕生日で、満1歳~満2歳のお子さん

   ※4月1日生まれのお子さんは、4月1日時点で満年齢に達しませんのでご注意ください

    (小学校等の学年基準と同じ考え方です)。

 2)保護者が下記のいずれかの状態にあり、保護者および児童が大田区に住所を有すること。

  ・パートタイム勤務、育児短時間勤務等の形態で勤務している

  ・求職中

  ・親族の介護または看護にあたっている

  ・大学または専門学校に在学している

   ※フルタイム勤務の方でも利用できます

 3)当園に利用希望申請をされて選考(当園選考基準による選考または抽選による)され、

   利用契約を取り交わした方

 

②開所日

・月~土曜日(日曜日・祝日・年末年始休園日を除く)

 

③保育時間

・基本保育時間:8:30~18:00内

 ※保育時間は、上記時間内の1日8時間の利用が目安になります。この時間帯外の利用を希望される

  場合は時間外の保育となり別途料金がかかります。

 ※18:01以降は延長保育時間となり、別途料金が加算されます。

 

④保育料金

・基本保育料は、1日8時間まで日額2,200円、月160時間まで月額44,000円の範囲内で設定しています。

 それ以上の時間のご利用については、別途料金(時間外利用料)をお支払いいただきます。

 

⑤申し込み~利用者決定までの流れ(予定)

・3月7日(木)~9日(土) 

   ※要予約 利用希望者への申請書類配布・説明会(各日10時~)

    希望される方は、事前にお電話で希望日程をお伝えください。

・3月11日(月)~16日(土) 利用希望者:申請書提出期間

   ※期日厳守。締め切り日を過ぎての受付は一切おこないません。

・3月19日(火) 利用者選考日(定員超過の場合は年齢ごとに抽選)

・3月21日(木) 利用者決定通知日(午後)

・3月22日(金) 利用者説明会(13~15時予定)

・3月30日(土) 入園会

 

※詳細につきましては、お電話でお問い合わせください。

・おおたみんなの家 TEL 03-6809-9450

・大田区保育サービス課 TEL 03-5744-1277